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ずっと傍に……
第38章 引き継いだモノ…

「この前…避妊をすることは相手を大切に思ってるからって言いましたよね…」

「そうね。たとえ話をしながら話したわね。それは伝わった?」

その言葉に、木野崎さんは小さく頷いた。
そして、膝の上に置いている手を更にギュっと握りしめているのを見て、彼女の横に座って、その手を握って背中を擦った。

「誰にも言わない…何を言われても怒らないから…言ってみて?一緒に考えよう?」

彼女は顔を上げて私を見る瞳は、どこか力なさげで揺らいでいた。
それでも何かに縋るように言葉にする。

「…つきあっている人がいます…でも…避妊はしてくれません。嫌われたくないから…強く言えなくて…でも怖くて…もし妊娠したらと思うと…」

握りしめている拳の上に冷たい涙が落ちてくる。

「相手はいくつの子?」

「大学生です…お兄ちゃんの友達…」

その言葉に溜息がでそうになり、慌てて我慢した。
同級生や高校生だったらまだ仕方がないと思える。
だけど大学生ならばその先になにが起こるのか理解していて当たり前。
それを快楽だけで女性を危険な目に合わせようとすることが許せなかった。
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