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ずっと傍に……
第38章 引き継いだモノ…
「…先生…怒ってる?」
心配そうに聞いてくる彼女に、私はどう映っているのだろう?
怖い顔をしていたのだろうと思い無理やりに笑顔を作った。
「怒ってはないわ。…良く相談してくれたわね」
そう伝えると、彼女はホッとしたように笑った。
「ダメだって分かってるんです。避妊しないと…だけどそれ言うと機嫌悪くなって…じゃあ別れるって言われるんです。私…別れたくないから避妊せずにしちゃって…彼は私の事…大切じゃないんですかね…」
彼女の言葉に、私の想いは伝わっているのだと分かった。
避妊しないSEXに愛情はないと気がついてくれただけでも彼女は救われている。
そして大きな過ちを犯す前に正しい行動ができる。
「彼の本質は分からないけど、木野崎さんを大事に思っているなら避妊はすると思う。ましてや、機嫌悪くなったり、別れようとは言わないはず。こんなことあってはいけないことだけど…もし木野崎さんが妊娠してしまったら男の方はいくらだって逃げることはできるの。逃げられないのは女の方…産むにしても中絶にしても一番に木野崎さんに負担がかかるの。―――自分の身体と心のこと…ちゃんと考えましょう」