この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ずっと傍に……
第38章 引き継いだモノ…
辛そうな表情をしながら笑う。
その笑顔にいたたまれなくなり、木野崎さんを抱きしめていた。
木野崎さんは私の腕の中ですすり泣きながら言葉を紡ぐ。
「薄々は気がついていたんです…だけど信じたくなかった…初めてできた彼氏だし…好きだったから」
私の腕の中で震えながら泣く木野崎さんの背中を撫でながら、彼女が落ち着くのを待った。
暫くすると落ち着いたのか、私の胸の中から顔を上げてすっきりした表情で微笑んでくる。
「泣いたら…すっきりしました…」
その表情にすべてを理解して答えを出していると感じ、彼女は強いなと思う。
好きだからと相手に流されてずるずると行かずに断ち切る勇気。
「実は先生?」
彼女は少し言いにくそうに言葉を発した?
何?という感じで視線を向けると、木野崎さんは、意地悪そうな表情を私に向ける。
だけど、それは決して悪意がある表情ではない。
すこし悪戯をした後のような、そんな表情だった。