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ずっと傍に……
第6章 初デート…
「…妹が生まれる前に…余命宣告をされていたそうです。出産か自分の命か…母は妹の命を取ったそうです。それによって延命治療が遅れて、妹が生まれて数か月して息を引き取りました。……癌だったそうです。見つかった時は手の施しようがなく、延命治療しか道はないと言われても母はそれを拒み妹を出産した。僕は7歳でしたから人が死ぬと言うことがいまいち分からなかった…妹と母が帰ってくるのを待ち焦がれました。ですが、妹と一緒に帰ってきたのは祖父母でしたね。ですから、いつになったら母が帰ってくるのかとずっと訪ねていました。今思えば…祖父母には辛い思いをさせたと思います。もうこの世にはいない母を…いつ戻ってくるのかと尋ねていたんですから…それでも死というものが何か分かる時が来るんですよね……もう会えない…この世にはいないと分かってもピンとはこなかった…ただ毎日が普通に過ぎていくだけ…それでも私には母との思い出はたくさんあります。……優しくて…僕を甘やかしてくれましたね。その思い出が妹にないと気がついた時に…僕は妹の母のような存在になろうと決めたんです。僕が母にしてもらったように…優しくしてあげようと…」
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