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ずっと傍に……
第39章 ずっと傍に…

「お義母さん。お願い事をしてからローソクを消してください。」

目の前には私が好きだったチーズケーキに8の形をしたロウソクが2本明かりを灯していた。
私が何をお願いするのかと興味深々に見つめる中、瞳を閉じて願いを唱える。

『友紀也に…会いたい…』

だけど、それを口にする事はできない。
だから他の事を口にする。

「ずっと…家族みんなで幸せにいられますように…」

そう口にして、ロウソクの火を消し拍手が巻き起こる。
そして楽しい時間は続き、自然と顔がほころび笑えば、友也が笑う。
友也が笑えば遥さんが笑い、遥さんが笑えば俊也と奈保さんが笑う。
そして奈津、和也と笑顔が伝染し、幸せの連鎖が広がっていく。
あの時、私が死を選んで友紀也の元に逝っていたら手にすることのなかった幸せ。
自分が見る事のできない未来を見て欲しいと言った友紀也の言葉の意味が、今理解できた。
理解するのに何十年歳月を費やしたんだろう。
それでも、その意味を理解できるこの環境が最高の幸せ。
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