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ずっと傍に……
第39章 ずっと傍に…
「最後みたいなこと言うなよ…」
「…そうね…まだまだ奈津や和也の成長を見続けていたい…でもね…いつか人は死ぬのよ。今日かもしれないし、明日かもしれない…先の未来で100歳まで生きちゃうかもしれない…。それでも感謝の気持ちは、伝えたい時に伝えるべきだと思うの…友也が生まれてきたことに感謝してるし、友也のお嫁さんになってくれた遥さんにも感謝してる。ふたりの間に生まれてきてくれた俊也にもそのお嫁さんの奈保さんにも。そして奈津と和也にもね」
バルコニーではしゃいでいる子供たちを見ながら、私を幸せに導いてくれる笑顔に感謝の言葉しか浮かばない。
友也は私の前に座り、私の手を握って見上げてくる。
「母さんは…幸せだった?俺を産んで…今まで幸せだった?」
「ええ。幸せだったわよ。苦労したこともたくさんあったけど幸せだった。友也が笑えば母さんも笑顔になれた。友也が泣けば母さんも悲しかった…母さんの人生は友也がいたから明るく輝いていたのよ…だから、これからも笑っていてね。何があっても笑って前を向いて…家族の大黒柱としてみんなを導いていくのよ」
「分かったよ…笑ってる…母さんが好きだって言っていた笑顔で生きて行くから、母さんも笑っててよ。」