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ずっと傍に……
第39章 ずっと傍に…
「本当に素敵な家族…ずっと…ずっと見ていました。友也を立派に育てたこと。そして僕の意志を継いで教師になって性教育に熱心だったこと…その苦労も実って僕がやりたかったことを全部やってくれましたね。陽葵に全てを託してよかった…」
髪の毛を撫でられ顔を上げると、チュッと触れるだけのキスをしてくれた。
こんなに皺だらけのおばあちゃんになっても、以前と変わらず接してくれる友紀也の胸に顔を埋めた。
「友紀也のお陰だよ…私の歩く道を照らしてくれた…だから前を向くことができたの…あれがなかったら、すぐにでも後を追ってた。だけど生きていてよかったと思う…友紀也と会えない時間は辛く寂しかったけど、それ以上のモノを手に入れることができた。あれが…私の幸せのカタチ…かけがえのない私の宝物」
友紀也の胸から顔を上げて子供たちを見ると、楽しそうに花火をしている。
友也が笑い、俊也が笑い、奈津と和也が笑う。
その中心にいた私は本当に幸せ者で、幸せな人生を歩んできたと思う。
「そうですね…生きていたからこそ今の幸せが存在する…陽葵の傍にいてそれを体験することができました…陽葵が笑えば僕も笑えていました…」