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ずっと傍に……
第39章 ずっと傍に…
「陽葵が前に踏み出せるまでと思いながら、実は僕があの生活から抜け出したくなかった。ずっと…このまま陽葵とふたりだけの時間が続けば良いと…思っていたんです。それでも陽葵は前に進むことを決めた。陽葵が、教師になると宣言した瞬間、すべてを思い出したんです。そして僕が陽葵の前に現れた本当の意味を」
「ホントの意味?」
「そうです。世の中は不思議な事ばかりですね。言葉では説明できない事が起きてしまう…僕は小さな陽葵に未来に導かれた…僕の心を癒すために…そこで陽葵はユキに…過去の僕に癒される…そして僕が望んだ未来の為に、過去の僕は子供を残す…未来の記憶はなくても…陽葵との子供を切に望んだ。それがごく当たり前で、それが陽葵の未来を幸せにすると直感で感じて…僕があの時、あの場所に呼ばれた理由…それはお互いが幸せを手に入れるため…」
知らず知らずのうちに涙が溢れていた。
壮大な愛情に涙しか溢れてこない。