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ずっと傍に……
第39章 ずっと傍に…
「僕たちは知らず知らずのうちに出会っていた。そして知らず知らずのうちに相手を癒し未来を手にいれていた…本当に不思議ですね。全てのパズルが合わさるように、僕と陽葵がこうなることは…産まれた時から…決まっていたのかもしれない…」
友紀也はフフフッと笑いながら額にキスを落とした。
だけど、私はずっと思っていることがある。
心の隅にありながら、それは決して消えてなくなってはくれない。
「あの踏切でユキを見た時…声に惹かれたの…知りもしないユキと何度も身体を重ねて…友紀也に悪いと思いながらも…友紀也がいなくなっておかしくなってしまったんだと思いながら…寂しさを忘れるためにユキに依存した」
「それでよかったんですよ。間違わずに選んだことも、また奇跡…」
友紀也は問題ないように口にする。
だけど私は…
「ユキに抱かれながら…辛かった…ユキといて友紀也を忘れることができても…やっぱり友紀也はいないんだと思い知らされる…それでも、手放せなかった…。そして―――…ユキに友紀也を重ねながら…いつしかユキを…見ていた…」