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ずっと傍に……
第39章 ずっと傍に…
「あの場所に戻れば家族とまだまだ一緒に楽しい時間を過ごせます。ですが、僕とここにいるのなら…あの幸せの輪の中に戻ることはできません…今だったら戻れます…60数年待ったんです。あと数年待つのも同じ事…どうしますか?」
どうしますか?と聞かれても考える余地なんてない。
私の答えは、もう決まっている。
「…大丈夫…友也だったら分かってくれる。友紀也と会えてよかったねって言ってくれる…だから大丈夫…。…ねぇ…友紀也…私を愛して…この60年間の愛を私に頂戴」
家族と離れるのは寂しいし辛い。
だけど私はあの時に選べなかった道を迷うことなく選んだ。
「もう…私を置いていかないで…ひとりにしないで…家族ができても…私が愛してるのは友紀也だけ…だから…」
込み上げてくる想いを口にしながら嗚咽が漏れる。
もう二度と離れたくないと伝えたい。
「もう…何も言わないください…陽葵がそう願うのであれば僕は何も言いません…陽葵が僕と共にいることを望むのであれば…もう二度と離れるつもりはありません…」
そう言って、友紀也に抱かれてベッドルームに移動した。