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ずっと傍に……
第39章 ずっと傍に…
「出会ったその瞬間に友紀也のことを好きになったのを今でも鮮明に覚えてる」
桜が満開に咲く春の日。
私は友紀也に一目惚れした。
それは忘れる事のない私の想い出。
そして私の幸せになる第一歩。
「初めて触れた瞬間、初めてキスをした瞬間、全てが昨日の様に思いだせるの。」
色褪せる事のない私の宝物のような幸せの時間。
「友紀也…」
「はい…」
友紀也の名前を呼べば、友紀也は瞳を細め優しく見つめてくれる。
だから私は告げる。
「私を好きになってくれてありがとう。私を選んでくれてありがとう。―――…ずっと伝えたかった。」
友紀也が好きだと言ってくれていた笑顔で、伝えたかった言葉を口にする。
「私は貴方に出会えて幸せでした」
友紀也はくしゃりと顔を歪ませ、また涙を落とす。
だけど、その涙が先ほどと違うのは分かってる。
後悔している涙じゃなくて、うれしいんだと肌で感じる。