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ずっと傍に……
第42章 母の愛…
「どうしてかしらね…急にお礼がいいたくなったのよ…こんな素敵な誕生日を祝ってもらえてうれしいのね。きっと」
フフフッといつもの笑顔を向けられても、どうしようもなく不安になる。
そんな俺の表情をみて、母さんの手が俺の頬に触れた。
「そんな顔して…本当に泣き虫ね…しゃきっとしなさい!!」
「泣いてなんか…」
母さんから顔を背けた。
泣いてなんかいなくても…そんな表情をしていると分かってる。
「相変わらずね。…友也がね。お腹の中にいるって分かった時…うれしかった…生まれてきてからは…驚きと感動の毎日だった。友紀也が…お父さんがいなくて寂しい思いもたくさんさせた…それでもずっと傍で守ってもらって母さんは幸せだった…増えていく家族に生きていてよかったと…この風景を見ていて思うのよ…」
「最後みたいなこと言うなよ…」
母さんの言葉で本当に泣きそうになる。
最後の別れみたいな言葉を言わないでくれと涙が滲む。