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ずっと傍に……
第42章 母の愛…
「…そうね…まだまだ奈津や和也の成長を見続けていたい…でもね…いつか人は死ぬのよ。今日かもしれないし、明日かもしれない…先の未来で100歳まで生きちゃうかもしれない…。それでも感謝の気持ちは、伝えたいときに伝えるべきだと思うの…友也が生まれてきたことに感謝してるし、友也のお嫁さんになってくれた遥さんにも感謝してる。ふたりの間に生まれてきてくれた俊也にもそのお嫁さんの奈保さんにも。そして奈津と和也にもね」
母さんはバルコニーで遊んでいる孫たちを見て優しい眼差しで微笑んでいる。
奈津や和也の笑い声は俺や母さんを癒してくれる。
俺は母さんの前に膝をついて手を握った。
シワシワになった小さな手。
ずっと俺の為だけに懸命に生きたきた証…
「母さんは…幸せだった?俺を産んで…今まで幸せだった?」
そう聞くと、母さんは目を細めて、そして笑った。