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ずっと傍に……
第42章 母の愛…
「遥…今年の秋に花火大会に行かないか?」
花火をして楽しんでいた遥は顔を上げて不思議そうにする。
「花火をやってて思ったんだ…母さんを連れて行ってやりたいって。毎年家族旅行として竹猿さんの所に行ってただろう?母さんにはまだまだ生きていて欲しいけど、この先どうなるか分からない。元気なうちにまた家族旅行したいんだ。行くなら、あの花火を見せてあげたい。」
「長い事、行ってないですね。奈津や和也も連れて家族旅行しましょうか?みんな喜ぶと思いますよ」
多くは語らずとも理解してくれる遥。
俺が何を考え、花火大会に行きたいかと理解してくれる遥に感謝しかない。
母さんが父さんを愛しているように、俺も遥を愛している。
「よしっ!!今年の秋は家族旅行だ!!みんなで花火を見に行くぞ!!」
大きな声を出して告げれば奈津と和也が嬉しそうに瞳を輝かせる。
「もしかして竹猿さんのところ?」
俊也も一緒に行っていたから竹猿さんの事は良く知っている。
「そうだ。ひさしぶりに行きたくなってな―――――…母さんもいくだろう?」