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ずっと傍に……
第42章 母の愛…
それからの記憶は曖昧で時だけが静かに流れていく。
俺の代わりに遥と俊也が全てを取り仕切り母さんを父さんの元に送り出すことができた。
その間涙が流れることはない。
悲しいのに、涙が零れ落ちることはなかった。
葬儀も終わりいつもの日常が戻ってくる。
だけど、この家には母さんはいない。
俺が定年して3年。
毎日のように一緒に過ごした母さんの姿が見えないと不安でたまらない。
還暦を迎えた大の大人が何を言ってるのかと笑うやつもいるかもしれないが…俺にとって母さんはとてつもなく大きな存在だった。
どんなに年を取ろうと、それは変わらない。
今日もまた、何もない一日が始まる。
ただソファーに座ってしがない一日を過ごす。
「あなた…」
遥が心配そうな表情で俺の隣に座る。
母さんがいなくなって、俺がどれだけ悲しみに明け暮れているか分かってるから、俺の傍から一時も離れようとしない。
それに俺は救われている。
「遥…」
俺は遥の腕を引いて抱きしめる。
寂しい時ほど人の温もりは心が温まる。
ぽっかりと開いた穴を埋めてくれるような気さえもする。
俺の代わりに遥と俊也が全てを取り仕切り母さんを父さんの元に送り出すことができた。
その間涙が流れることはない。
悲しいのに、涙が零れ落ちることはなかった。
葬儀も終わりいつもの日常が戻ってくる。
だけど、この家には母さんはいない。
俺が定年して3年。
毎日のように一緒に過ごした母さんの姿が見えないと不安でたまらない。
還暦を迎えた大の大人が何を言ってるのかと笑うやつもいるかもしれないが…俺にとって母さんはとてつもなく大きな存在だった。
どんなに年を取ろうと、それは変わらない。
今日もまた、何もない一日が始まる。
ただソファーに座ってしがない一日を過ごす。
「あなた…」
遥が心配そうな表情で俺の隣に座る。
母さんがいなくなって、俺がどれだけ悲しみに明け暮れているか分かってるから、俺の傍から一時も離れようとしない。
それに俺は救われている。
「遥…」
俺は遥の腕を引いて抱きしめる。
寂しい時ほど人の温もりは心が温まる。
ぽっかりと開いた穴を埋めてくれるような気さえもする。