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ずっと傍に……
第42章 母の愛…
遥の瞳にも涙が零れる。
母さんがいなくなってさみしいけれど、そこに留まることを母さんは良しとはしない。
どんなに辛いことだとしても前に進むことを願うに違いない。
母さんもそうやって前にすすんできたはずだ。
母さんができて、俺にできないはずがない。
だって、俺は母さんの息子だから。
陽葵という母さんと、友紀也という父さんの息子だから…
「遥…俺と共に生きてくれるか?」
ひとりでは乗り越えられない事でもふたりだったら乗り越えられる。
だから一緒に生きて欲しいと告げれば、遥は極上の笑顔を向けてくれる。
「もちろんですよ。私はあなたが…友也が大好きだから…どこまでも一緒に生きていきます。」
久しぶりに名前で呼ばれてドキッとする。
いつもは、あなたかパパとしか呼んでくれないから…
「遥から名前で呼ばれるのもいいな…」
そう言うと、遥は恥ずかしそうに顔を背けた。
その仕草がたまらない。
遥の顎に手を当てて上を向かせる。
少し潤んだ瞳が俺を誘惑する。
どんなに年を取ろうと、俺が欲情する女は遥だけ。