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ずっと傍に……
第43章 託された想い…
『じゃあ、また明日顔だすね』
『仕事があるのに無理しないでください。僕は大丈夫ですから』
『もう、私の事は気にしないで!病気の時ぐらい頼ってよ』
『そう言われても…陽葵が来てくれているので大丈夫なんですよ』
『お兄ちゃんの彼女ね。一度会って挨拶しなきゃね。お兄ちゃんの面倒大変でしょう?って』
『志保…とにかく、僕のことは気にしないでください。自分の生活を大切にしてください』
『はいはい。分かったわよ。じゃあ、明日ね~~!学先生行きましょう』
中の人物が出てくると思い慌てても隠れる場所がない。
とりあえず、通りすがりの見舞いの人を演じながら出てくる人を観察した。
出てきたのは、俺より少し上の女性と白衣を着た先生だった。
中に向かって笑顔で軽く手を振ってドアを閉めた瞬間、彼女の笑顔が消えた。
そして辛そうに唇を噛み締めていた。
その表情を一生忘れないと思う。
そんな彼女の背中に手を添えて、一緒に歩き出した白衣の学先生?
彼女…志保さんは、学先生に促されて肩を震わせながら歩き始めた。
その背中から泣いているのが分かる。