この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ずっと傍に……
第43章 託された想い…
「志保…よく我慢したね」
「だって…泣いている姿なんて見せられないよ…あんなに元気なんだよ…本当に死ぬの?」
志保さんの言葉が他人事のように俺の中に流れ込んでくる。
「…余命と言っても確実ではないんだよ。それより長く生きる人もいる。友紀也もそのひとりになるかもしれない…そうあって欲しいと私も願うよ」
寂しげに告げる学先生。
その言葉に、小さく頷きながらも肩を震わせている志保さん…
余命宣告…
桜木が余命宣告を受けている?
だけど桜木は…
志保さんの言葉がジワリジワリと俺に重くのしかかってくる。
桜木友紀也が俺の知っている桜木じゃないことを祈りたい。
だけど、それは簡単に裏切られる。
やはり、入院している桜木友紀也は俺が知っている桜木だった。
そして彼は…