この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ずっと傍に……
第43章 託された想い…
「水無月くんではありませんか?」
病院内の探索をして2週間程だった頃、病院内で偶然桜木と遭遇した。
だけど、桜木はヒナの彼氏の友紀也さんとして俺に話しかけてくる。
そして、改めて本当に同一人物なのかと疑いたくなるほど姿が違う。
それでも、目を細めて笑う瞬間は桜木を思わせる。
「お久しぶりです…友紀也さん…」
さすがに桜木とは言いがたく、友紀也さんと呼んでみた。
だけど違和感バリバリで苦笑いしかない。
「どこか悪いんですか?」
「いえ、母が入院してるので…それより友紀也さんは」
「怪我をしてしまって…陽葵にも心配をかけてしまいました」
ニコニコと笑う笑顔に、余命を受けた人とは思えなかった。
やっぱり、あれは何かの聞き間違いえかもしれない。
ヒナの彼氏が余命宣告を受けているなんてありえない。
一度は俺が傷つけた元彼女。
彼女には笑っていて欲しいと思う。
だから間違いだ!