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ずっと傍に……
第43章 託された想い…
「お兄ちゃん!!こんなところで何してるの?」
「そろそろ来る頃だと思って迎えに来たんですよ」
玄関から入ってきた志保さんが、桜木を見つけるなり足早に近づいてきて少し怒った口調で叱る。
「自分が病気だってこと自覚してよ!!いい大人なんだから心配かけないで!」
そんな志保さんに苦笑いする桜木は、どちらかというと年下に見えてしまう。
姉に怒られている弟、そんな感じだった。
「僕は元気ですよ。志保が気にしすぎです。」
「お兄ちゃん!!」
「そんなに怒らないでください。彼が驚いていますよ」
桜木の一言で、志保さんは俺の存在に気がついた。
真っ直ぐに見つめられてドキッとする。
小柄で瞳がクリクリしていてかわいいと思った。
「お兄ちゃんの友達?」
「う~ん…僕というより陽葵の友達ですね。お母様のお見舞いだそうです。」
「そうなんだ。妹の志保です」
「あっ…えっ…と…大地…水無月大地です」
いきなり自己紹介をされてテンパル俺ににっこりと志保さんが笑ってくれた。
その笑顔が天使に見えた。