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ずっと傍に……
第43章 託された想い…
ドキドキする俺とは違って、にこやかに接する志保さん。
きっと、この時には好きになっていたんだと思う。
それから病院内で会うことが多くなった志保さんと打ち解けるのに時間はかからなかった。
たわいもない話をしてお互いが近づいた。
そんなある日。
帰ろうと病院の玄関を通り過ぎようとした時、中庭に志保さんがいるのを見かけた。
両手で顔を覆って泣いている様に見えた。
その姿を見て放っておくことができず近づいた。
「志保さん…大丈夫ですか?」
俺の言葉に顔を上げた志保さんの頬には涙が流れていた。
見上げた後からも涙が止まることがない。
居てもたってもいられなくなり、志保さんの横に座って胸に彼女を引き寄せた。
一瞬身体を固くしたけど、背中を優しく撫で続けると、その硬さもなくなり声を殺して泣き出した。
「いいですよ。傍にいますから泣いてください」
志保さんの涙が冷たく肌に染みる。
どれくらい泣いていただろうか。
空は夕焼けに包まれ、次第に暗さを増していく。
12月が始まろうとしているこの季節、さすがに肌寒く俺のマフラーを志保さんの首に巻いた。
きっと、この時には好きになっていたんだと思う。
それから病院内で会うことが多くなった志保さんと打ち解けるのに時間はかからなかった。
たわいもない話をしてお互いが近づいた。
そんなある日。
帰ろうと病院の玄関を通り過ぎようとした時、中庭に志保さんがいるのを見かけた。
両手で顔を覆って泣いている様に見えた。
その姿を見て放っておくことができず近づいた。
「志保さん…大丈夫ですか?」
俺の言葉に顔を上げた志保さんの頬には涙が流れていた。
見上げた後からも涙が止まることがない。
居てもたってもいられなくなり、志保さんの横に座って胸に彼女を引き寄せた。
一瞬身体を固くしたけど、背中を優しく撫で続けると、その硬さもなくなり声を殺して泣き出した。
「いいですよ。傍にいますから泣いてください」
志保さんの涙が冷たく肌に染みる。
どれくらい泣いていただろうか。
空は夕焼けに包まれ、次第に暗さを増していく。
12月が始まろうとしているこの季節、さすがに肌寒く俺のマフラーを志保さんの首に巻いた。