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ずっと傍に……
第43章 託された想い…

「お兄さんのことですか?」

泣いている理由を聞いてみた。
その言葉にビクッと身体を震わせた。
それが俺の考えを肯定している。
やっぱり、あの時聞いた話は嘘でも冗談でもないと思わせる。

「志保さんと学先生の話を聞いたんです…友紀也さんが―――…死ぬって…」

言葉にすると真実味が帯びてくる。
嘘であって欲しいと願った。
だけど志保さんから語られる言葉は無情にも俺の願いを裏切る。

「余命…1年って…」

その言葉に頭がガンガンと痛い。
内側から、何かに殴られているような鈍い痛みが俺を襲う。
それほどまでに強烈な言葉だった。
そして、徐々にその言葉の意味を理解した時、全身から嫌な汗が噴き出した。

「手の施しようがないって…どうしてお兄ちゃんが…どうしてお兄ちゃんが…」

何度もお兄ちゃんがと繰り返す。
本当に、どうして桜木なのか。
どうして桜木が死ななければならないのか。
考えても分からない。
分かることは、誰もが悲しみ辛い未来を送るということ。
志保さんだけじゃない。
ヒナもきっと耐え難い未来を迎えることになる。
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