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ずっと傍に……
第43章 託された想い…
穏やかに自分の病気の事、余命宣告をされたことを告げる桜木は本当なのかと疑いたくなる程だった。
死を前にしてこんなにも穏やかな表情ができるのかと…疑ってしまう。
「急にこんな話を申し訳ありません。ですが、先月末に余命1年と宣告を受けました」
「それはっ…間違いとかではなくて…」
「はい。セカンドピニオンも受けています。両医師共に同じ見解ですので間違いはないと思います」
静かに告げられても、その重みは変わらない。
とても重く、心を抉るような凶器を言葉に含んでいた。
「陽葵には話していません。これから先も話すつもりはありません。何も話さずに別れるつもりです。その方が陽葵の為だと…その時に、陽葵の傍にいてあげてほしいんです。きっと泣いてしまうから…」
ヒナの名前を出したとたんに、辛そうな顔になる。
自分が死ぬことよりヒナの事が心配なのが伝わった。
それだけ愛情が深いのだということも伝わった。
だけど納得ができなかった。好きならば最後まで傍にいてあげればいいのにと…
死を前にしてこんなにも穏やかな表情ができるのかと…疑ってしまう。
「急にこんな話を申し訳ありません。ですが、先月末に余命1年と宣告を受けました」
「それはっ…間違いとかではなくて…」
「はい。セカンドピニオンも受けています。両医師共に同じ見解ですので間違いはないと思います」
静かに告げられても、その重みは変わらない。
とても重く、心を抉るような凶器を言葉に含んでいた。
「陽葵には話していません。これから先も話すつもりはありません。何も話さずに別れるつもりです。その方が陽葵の為だと…その時に、陽葵の傍にいてあげてほしいんです。きっと泣いてしまうから…」
ヒナの名前を出したとたんに、辛そうな顔になる。
自分が死ぬことよりヒナの事が心配なのが伝わった。
それだけ愛情が深いのだということも伝わった。
だけど納得ができなかった。好きならば最後まで傍にいてあげればいいのにと…