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ずっと傍に……
第43章 託された想い…
何も言えなくなった俺を振り向いた桜木の手が俺の頬に触れた。
その時に、漸く、自分が泣いていることに気がついた。
それ程までに、今の話は辛すぎて悲しかった。

「本当に申し訳ありません。こんな話を水無月くんにするべきではないのかもしれません。ですが、僕がいなくなった後、陽葵を託せるのは水無月くんしかいないと思ったんです。今は陽葵の良き理解者で良き友人…寄り添って生きて行ってくれればと」

桜木の願い。
本当は了承するしかないと分かっていても、ヒナの気持ちを考えると簡単に頷けなかった。
どんな別れ方をしようと、ヒナは傷つき泣くに決まってる。
話を聞いただけでも泣いてしまった俺だ。
ヒナが本当の事を聞いてしまったら…

「陽葵は僕の後を追おうとするかもしれない…」

桜木は俺と同じことを考えていた。
桜木が死んでしまったら陽葵は必ず後を追うに決まってると。
それだけヒナも桜木の事が好きで愛している。
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