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ずっと傍に……
第43章 託された想い…
「はい。陽葵の事です。きっと後を追う…それを望んでいないと告げてもきっと…だったら何も知らない方が良いと思ったんです。水無月くんが言う事も分かります。
知らずに過ごすより知って過ごした方が良いと…ですが、弱って行く僕を見て欲しくない。その傍で泣き続ける陽葵を見るのが…―――…自分の死よりも辛いと思ったんです。そんな辛い思いを僕もしたくはない。そして陽葵にもさせたくはない。そう思った時に…何も言わずに消えることを決めました。そしてその後を託せる水無月くんもいますから僕は安心できるんです。ひとりだったらきっと死ぬまで僕の傍にいなさいと…言ってしまいそうだから。」
ああ…そうなんだと思った。
本当は最後まで傍にいてほしいと桜木も願ってる。
自分の余命を知らされて、平気な人がいるわけがない。
誰かに傍にいてほしい。
愛した人に傍で支えて欲しいと願いながらも手離す覚悟をした桜木。
その決断にいたるまで簡単なはずがない。
苦しんで苦しんで、それでも出した答えならば、本当に俺が何かを言えることではないと桜木の申し出を受けることにした。