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ずっと傍に……
第44章 愛情は変わらない…
「母さんの事…というか蒼兄ちゃんたちの悪口言われてカッとなって、頭より手が先に出てた…」
震えている手をぎゅっと握っても震えはおさまらない。
頭に血が上ったからと言って人を傷つけようとしたことが怖かった。
「たぶん、友也が手を出してなければ俺らの誰かが手を出してたと思う…お前の母親も父親代わりの3人も知ってるからな。友也が先に手を出してくれたおかげで俺は冷静になれた…俺が手を出すと冗談じゃすまなくなるから…正直助かった」
苦笑いする大樹を見て、そうだと思う。
合気道有段者。
本気を出せば、相手を倒すことはあっという間。
だけど、それを学校で、それも生徒にやれば問題になるのは目に見えている。
それが分ってるだけに、俺もホッとした。
「またさっ…何か言ってきても無視しようぜ。小学校から一緒だった奴らは気にもしてないし真実を知ってるから。あんなどうしようもない奴のために問題起こして親を呼び出される方がイヤじゃないか?友也ん家もそうだけど、俺の家もさすがにな…迷惑はかけたくない」