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ずっと傍に……
第44章 愛情は変わらない…
「その…なんと言ったらいいのか…桜木さんのお家は…お母様だけだと伺っております」
「はい。祖父母は近くにおりますが、私とこの子のふたりですが?」
担任の質問に母さんはさらりと答える。
その答えに担任は渋い顔…何を言い出すのかと気が気ではなかった。
「そうですが…もちろん存じておりましたが…少し前になりますが父の日で作文を書いて発表する授業がありまして…その時に、友也くんは父親代わりの男性が3人いると…」
「先生!!」
それ以上は話して欲しくなくて声をあげても、母さんは俺を制して先を促した。
戸惑う俺に、母さんは微笑み頷くだけだった。
「その事で教室内でいざこざがあったんですが…お聞きになられていますか?」
「いいえ何も…いざこざというと…暴力的な?」
「暴力的というか…話を聞けば、その事に対して色々と…噂する生徒がいたようで、それに怒った友也くんが追い詰めたと言いますか…結局は他の生徒の仲裁で大事にはならなかったのですが、一応保護者のお母様のお耳に入れておいた方が良いかと」