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ずっと傍に……
第44章 愛情は変わらない…
「友也…話さないと何も伝わらないよ―――――…お母さんにも話せない事?」
今までは何もかも母さんに話してきた。
学校であったこと、友達と遊んだこと、秘密なんてなかった。
だけど、あの事だけは言えなかった…言いたくなかった。
「友也…話さないなら先生の言葉を信じるしかないのよ。誤解があるのなら自分の口で言わなきゃ。言ってる意味わかるわよね」
それでも何も言わない俺に、母さんは寂しそうな顔をする。
本当は、何があったのか話したい。
そして、馬鹿ね、そんな事気にする事ないのよと笑って抱きしめて欲しい…と思う。
だけど、恭平や竹猿さんが母さんと寝てるとか…寝てるから俺を構ってくれてるとか口が裂けても母さんには言えなかった。
それを言って、母さんがどんな気持ちになるのか分かるから何も言えない…
「友也?」
「うるさい!どうだっていいだろう!!」
何も言えないから、そんな酷い言葉か口が出ていた。
ハッとして顔を上げると、驚いた顔をして固まったままの母さん。
そして、寂しそうに笑った。
その表情に耐えられずに、俺は母さんから逃げ出した。