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ずっと傍に……
第44章 愛情は変わらない…
『不幸なはずがない!!友也がいるだけでどれだけ幸せか…素直になってください。壊れて修復不可能になる前に…自分の心に正直に…』
『でも…俺っ…』
俺がいることで、母さんを不幸にしている事実が消えることはない。
俺がいなくなることで全てが解決するなら…
『俺がいないほうが…母さんは幸せなんだ。友紀也さんには悪いけど、俺さえいなければ恋愛して結婚して…幸せになれるんだ』
『それは違いますよ。』
ギュっと強く抱きしめた後、身体を離して両手で俺の頬を包み込み、俺の目をジッと見つめる。
その瞳からは怒りは感じられない。
『友也がいたから生きてこられた…友也がいなかったら陽葵の…お母さんの未来はなかったんです。』
『未来は…なかった?』
『そうです…僕が死んで…陽葵は絶望の中にいました。死を望んでいたんです。僕と一緒に逝くことに迷いはなかった。それを踏みとどまらせたのは友也なんですよ。友也がお腹の中にいると分かった時…初めて生きていく希望を見い出せた』
初めて聞く話だった。