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ずっと傍に……
第44章 愛情は変わらない…
俺が生まれた経緯を聞いたことはなかった。
父親が誰かなど聞いちゃいけない気がしてた。
だけど、妊娠した時はうれしくて産むこと以外考えられず、ばあちゃんたちに反対されても縁を切る覚悟で俺を生んだと教えてもらった。
そして、俺がいるだけで母さんは幸せなんだと小さい頃、良く言われていたことを思い出す。
『俺は…』
『全て僕が悪いんです。陽葵を置いて先に逝ってしまった僕が…そのせいで友也にも辛い思いをさせてしまった…運命には逆らえない…それでも離れるのが辛くて奇跡を起こした』
『奇跡…?』
『そうです。奇跡です。すべてが奇跡の上になりたっています。ですから陽葵は生きて友也が生まれた…』
その言葉に俺の願いが現実味を帯びてくる。