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ずっと傍に……
第44章 愛情は変わらない…
『うちさっ…物心ついた時から母親いなくて、ずっと父ひとり子ひとりだったんだよね。だから、桜木くんのお家に行って、お母様とキッチン立ったり買い物に行ったりするの…すごく楽しいんだ。』
初めて聞く話に何と言っていいのか分からなかった。
同じ境遇だけに、下手な事は言えない。
『だからかな…桜木くんが羨ましいって』
『羨ましい?』
『うん。ものすごく仲良いから…お互いにお互いの事大切で好きなんだなって…うちの父は仕事が忙しい人だったから家ではいつもひとりで、帰ってからもひとり、ご飯を食べるのもひとり、寝るのもひとり、起きるのもひとり…ずっとひとりだったから…仲の良い姿見て羨ましかった』
ふふふっ笑いながらも、キラリと光る物が微かに見えた。
同じ境遇だと思っていても、過ごしてきた時間は違いすぎて居た。