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ずっと傍に……
第44章 愛情は変わらない…
『こんな人が私の母親だったらなって…そう思いながら桜木くんのお母様とキッチンに立ってる…――――桜木くんとお母様の関係、素敵だと思うよ。マザコンでも、ちゃんと独立してる。依存してるわけじゃない。お互いのことを尊重して、その上で大切にしあってる…そう思ったの』
初めて、そんな事を言われて俺の方が泣きそうになる。
こんなにも俺の想いを的確に言葉にしてくれる人が、この世にいるんだと思うと、天野の事をもっと知りたいと思った。
それから何かあると飲みに誘い距離は縮まっていった。
付き合いだし事を母さんに告げると、母さんはうれしそうに天野と…遥とキッチンに立つことが多くなり、俺がいない時でも会うようになっていた。
「ふたりって本当の家族みたいだな」
キッチンに立って料理をしているふたりを見ていて、そんな言葉が口から零れて出た。
その言葉が耳に届いたのか、ふたりは動かしていた手を止めて俺をみてくる。
そしてふたりで顔を見合わせフフフッと嬉しそうに笑った。