この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ずっと傍に……
第45章 家族の絆…
「今更だが…あいつに恋愛感情はなかったのか?」
目を見開いて篤志を見れば、篤志はグイッとビールの残りを流し込んだ。
この話を何度すればいいのか…という程、酒に酔えば聞いてくる。
「ないね。仲が良かったのは認めるよ…けど、趣味じゃない」
「趣味じゃないって…美也子は美人だろう?」
「それは認めるけど、それで好きになるかっていうと違うよね…気があう仲間…そんな感じかな。篤志が相手だから身を引いたとかじゃないから。それに今更だよ?キミは美也子と結婚して可愛い子供もできた。いくつなった?」
「上が12歳で、下が5歳だな…大きくなったよ」
「あの子が5歳か…」
時の流れを感じずにはいられなかった。
あの生まれたばかりの赤ちゃんが、もう5歳。
もしかしたら生まれる事のなかった命だと思うと感慨深い。
「だったら家で2人だけ?」
「ああ。9時には帰ると言ってあるから遅くまでつきあえなくて悪いな!」
その答えに言葉を失った。
12歳と5歳の子供を置いて飲みにでるなんて正気の沙汰じゃない。
もちろん私が呼び出したのが悪いけど、分かっていれば家で飲むとか色々とあったはずだと後悔した。