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ずっと傍に……
第45章 家族の絆…
「帰ろう!!子供だけじゃ危ない」
「平気だって。上の子はしっかりしてるし、平日はもっと遅くなる時もある。普通だったら母さんに来てもらってるんだけどな。今日は用事があるとかで7時過ぎには帰ったはずだ」
ほろ酔い気分の篤志は事の重要性に気がついていない。
どんなにしっかりしていても、子供は子供。
何があるか分からない。
「何かあってからじゃ遅いって。私も一緒に行くから帰ろう」
帰りたがらない篤志の腕を引っ張って篤志の家に足を向けた。
歩いて15分すると篤志の家が見えてくる。
近づくに連れて小さな子供の泣き声が耳に届いた。
その瞬間、ウダウダ歩いていた篤志が眉をひそめた。
「どうかした?」
そう聞いても返事をせずに家に向かって走って行った。
玄関を開けて声をあげれば、奥の部屋から男の子が慌てて駆け寄る。
「お父さん!!!志保がっ…志保がっ」
「志保がどうした?何かあったのか?」
慌てて中に入って行く篤志の後を追って私も行けば、小さな女の子が布団の上で浅い呼吸をしながら横たわっていた。