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ずっと傍に……
第45章 家族の絆…
「良く頑張ったね。志保ちゃんは大丈夫だから――――もう、泣いてもいいんだよ」
私の腕の中で友紀也くんの身体がビクッと震えた。
そして、私の背中に小さな腕を回してギュっとシャツを握りしめてきた。
「もう大丈夫…大丈夫だからね。良く頑張ったね。」
何度も大丈夫だと告げると、友紀也くんはやっと泣くことが出来た。
初めはすすり泣く程度だった声も次第に大きくなり、部屋中に響き渡る程になった。
それだけ、日ごろから我慢していたんだろうと思うと、私の方も一緒に泣きたくなってきた。
「友紀也…」
篤志は友紀也くんのこの姿を初めて見るのかオロオロするばかり。
溜息しかでてこない。
正直、今日、ここに来てよかったと思った。
何か取り返しのつかなくなる前でよかったと心底思う。
暫くすると、泣き声もおさまり、寝に入ろうとするのが分かった。
そのまま寝かせようと思い身体を揺らすと5分も立たないうちに眠り、少し顔を覗けば頬を伝った涙の痕が痛々しい。
まだ濡れている頬の涙を拭い、そのまま抱きしめてソファーに座った。