この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ずっと傍に……
第45章 家族の絆…
「叱っちゃダメだよ。お父さん、僕たちの為に一生懸命お仕事頑張ってる。だから僕が家の事するの。できなかったから叱られたの。だからお父さんを叱っちゃダメなの」
「友紀也っ…」
興奮して声を荒げる友紀也くんの言葉は、大人の私の涙を誘う。
こんな小さいのに健気で、そして優しい。
こんな子には幸せになって欲しい。
「友紀也くん…お父さんが志保ちゃんばかりで寂しくない?僕も抱きしめて欲しいって思わない?」
そう聞くと、途端にシュンと今にも泣きそうな表情になる。
それが友紀也くんの本心。
「ねぇ、友紀也くん。お父さんの為に頑張るのは偉いよ。お父さんもみんなも褒めてくれるよね。だけどね、おじさんは、えらいとは思わない。褒めてはあげられない」
「どう…して?」
褒めてもらえるはずが褒めてもらえず、友紀也くんは不思議そうな顔をした。