この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ずっと傍に……
第45章 家族の絆…
余命宣告を受けてからも自暴自棄になる事はなく、ただ静かに時を過ごしていた。
内なる思いを言葉にすることを嫌う友紀也。
それは昔と全然変わらない。
「いや…昔を思い出していたんだよ。友紀也は覚えてるかい?私が篤志と飲んで帰った時、志保は熱を出していて、友紀也は慌ててた事があった」
「覚えていますよ…初めて…父の愛情を感じた時でしたから」
その言葉に驚いていると、友紀也の手が私の手を掴んで、ゆっくりと起き上がった。
「愛情を…感じていなかったわけではないんです。…ですが、父は志保ばかり…志保が羨ましかった。僕もあんな風に抱きしめられたい、褒めて欲しいって…ずっと思ってました。でも、僕はお兄ちゃんで、父は仕事が忙しかった。だから我儘は言えなかった」
「我儘じゃ…ないんだよ」
「ええ…それを学先生から教わりました。甘えるのは我儘じゃない。抱きしめて欲しいというのは我儘ではなく愛情表現だと。もし、あの時に学先生に会っていなければ、僕は父から愛されていないと思ったかもしれないんです…学先生は僕と父の恩人ですね」
内なる思いを言葉にすることを嫌う友紀也。
それは昔と全然変わらない。
「いや…昔を思い出していたんだよ。友紀也は覚えてるかい?私が篤志と飲んで帰った時、志保は熱を出していて、友紀也は慌ててた事があった」
「覚えていますよ…初めて…父の愛情を感じた時でしたから」
その言葉に驚いていると、友紀也の手が私の手を掴んで、ゆっくりと起き上がった。
「愛情を…感じていなかったわけではないんです。…ですが、父は志保ばかり…志保が羨ましかった。僕もあんな風に抱きしめられたい、褒めて欲しいって…ずっと思ってました。でも、僕はお兄ちゃんで、父は仕事が忙しかった。だから我儘は言えなかった」
「我儘じゃ…ないんだよ」
「ええ…それを学先生から教わりました。甘えるのは我儘じゃない。抱きしめて欲しいというのは我儘ではなく愛情表現だと。もし、あの時に学先生に会っていなければ、僕は父から愛されていないと思ったかもしれないんです…学先生は僕と父の恩人ですね」