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ずっと傍に……
第46章 生きていてほしいから…
「母さん……母さん!!」
大学から帰ると、母さんはソファーに座ってTVもつけずにボーッとしていた。
声をかけても俺が帰ってきたことに気がつきもしなかった。
身体を揺らすと、やっと俺の方に顔を向けて笑う。
「お帰り、早かったのね」
早かったねと言われても、もう20時を過ぎている。
それだけ、母さんの時は止まってる。
「母さん…。…もう20時過ぎてるよ…」
「えっ…あらっ…ごめんなさいね。すぐに夕飯の支度するわね」
慌てる母さんの腕を取りソファーに座らせる。
正直、こんな母さんは見たくない。
日に日に弱って行く母さんを見たくなかった。
「無理しなくて良いから。簡単なモノだったら俺も作れるから座ってて。―――先にお風呂入れてくるから、ゆっくり入ってくるといいよ。その間にご飯つくっておくから」
「…ごめんね…」
「大丈夫…大した事ないよ」