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ずっと傍に……
第47章 俺も誓うよ…
「窓ガラスで怪我した事ありましたよね。その時に分かったんです。膵臓癌で手の施しようがないと…陽葵と…田崎には別れを告げました。死に逝く僕を見続けて欲しくなくて突き放しました。ですが、いずれ僕が死んだことを知ってしまう…その時に手を差し伸べて欲しいんです。今、教師になるために頑張っています。その道を進んで欲しい。」
全てが混乱だった。
桜木先生が死ぬことも。
ましてや田崎と付き合っていたことも…いや…なんとなく分かっていた。
あの時に、そうじゃないかと思ってふたりを俺は見ていた。
「突き放した僕が言うのもおかしな話ですが、陽葵には教壇に立って欲しい。僕の意志を継いでくれるたった一人の人だから…そして誰よりも素敵な教師になると、僕は思っています」
俺に向ける視線は真剣だった。
その視線を見ていると、嘘でも偽りでもない事は伝わってくる。
桜木先生が死ぬ…
流石にすぐには言葉を返せない。
そして、ひとつだけ知りたいことがあった。
ずっと心に引っかかっていた事。