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ずっと傍に……
第48章 奇跡のはじまり…
僕は幼い頃から人と接することが苦手で人を信じることができなかった。
その中でも信じる人は少なからずはいたが、ほとんどの大人を信じていなかった。
それに拍車をかけたのは数か月前の出来事。
父が事故で亡くなり、膨大な遺産があると分かると親族は父が残した遺産に群がり、その遺産欲しさに僕と志保を引き取りたいと躍起になった。
その光景を志保の手を握り締めて見ているしかできない僕は歯痒かった。
大学生だと言っても色々と制限がある。
特に妹の志保は中学生で、僕ひとで面倒をみるのにも限界があった。
そしてそれを理由に僕ごと引き取ろうと泥沼の争いが始まった。
その中から救ってくれたのが甲斐田の父親で、僕が信頼している数少ない人物だった。
父とは旧知の仲で仕事のことでも相談に乗ってもらっていたし、幼い頃から可愛がってもらったので信頼していた。
その人に財産の全てを任せると平穏な日常が戻ってきた。
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