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ずっと傍に……
第48章 奇跡のはじまり…
「それにしても意識が戻ってよかったよ。志保には覚悟をしておくように言ってたからね…目を覚ましてくれて本当によかった」
学先生の手が優しく僕の髪の毛を撫でて、安堵した表情を見せた。
それからしばらくして志保が血相をかえて部屋に入ってきた。
「…おにいちゃん…」
僕を見るなり泣き出す志保を抱きしめると、痛い程抱きしめられた。
心配をかけてしまったと思うと痛いとは言えず数十分我慢したけれど、流石に痛くて学先生に合図して離れて貰った。
「お兄ちゃん。痛いところない?」
「ええ。痛いところはありませんよ。心配かけましたね」
僕の言葉に志保と学先生が眉を潜めた。
「そういえば学先生…僕が助けた女の子はどうなりましたか?無事ですか?」
「ああ。かすり傷ひとつなかったよ」
学先生の言葉に、ヒナちゃんが無事だと分かりホッとした。