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ずっと傍に……
第51章 認めた瞬間
「せ~んせい」
さっきまで彼女が来ないことを気にしていたのに、僕はうんざりとした顔で振り返った。
いつも以上に瞳をキラキラと輝かせ、そこだけ花が咲いたように華やいで見え、一瞬言葉を失った。
「先生どうしたの?」
「あっ、いや、……また、キミですか」
ドキッとした自分の気持ちをごまかすように、いつもと同じ言葉を彼女に投げかけた。
彼女はプゥーと頬を膨らませながら、それでも楽しそうに言葉にする。
「キミじゃないです。陽葵です。いつになったら名前で呼んでくれるんですか?」
「僕がキミを名前で呼ぶことなんて一生ないということを何度言えば分かるんですか?」
僕の冷たい言葉にも怯むことなく、自分の言葉をはっきりと言葉にする彼女。
「何度言われても分かりません。それ、何度言えば分かるんですか?」