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ずっと傍に……
第52章 何もしないで後悔をするより……

「陽葵が生まれた時、元気に育ってくれればいいと願った」

どのくらい沈黙が続いただろう。
テーブルの上に置いてあるお茶を啜ったパパがゆっくりと口を開いた。
その言葉に顔を上げると、いつもの穏やかな表情が私に向いていた。

「大きくなるにつれて辛い人生を歩まなければ良い。笑顔あふれる幸せな未来。好きな人と結婚して子供に恵まれ、私たちみたいな幸せな家族をつくり幸せな人生を歩んで欲しいと願った。それなのにお前は自ら辛い人生を選ぼうとしている。その決断を受け入れることは――できない」

それは私が想像していた答えだった。
もし、私に子供がいて同じことをしようとしていたら賛成なんかできない。
それが親というもの。
子供の幸せを願う親はいないのだから……それを嫌というほど理解している。
それでも、私が決めたことを理解し認めてほしい。
パパとママと意見が違うからと言って逃げるのではなく話し合って認めてほしい。
それが私の……友紀也の願いでもある。

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