この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ずっと傍に……
第52章 何もしないで後悔をするより……
―…
――…
―――…
「友紀也!おはよう」
朝一番に病室に顔を出した私は一目散に友紀也に抱きついて挨拶をした。
抱きしめれば友紀也のぬくもりが伝わる。
ずっと欲しかった愛しい人のぬくもり。
このぬくもりがいつかはなくなってしまうかもしれないと思うと辛いけど、私は笑顔を友紀也に向ける。
「大学はどうしたんですか?学生の本文は勉学ですよ。ストライキをして大学にも行ってなかったんですから真面目に行ってください」
真面目な教師面をする友紀也に頬を膨らませて抗議する。
「私が会いにきて嬉しくないの?私は面会時間が始まるのが待ち遠しかったよ。そんなに会いたいって思ってたのに友紀也は思ってくれなかったの」
私の言葉に友紀也は目じりを下げて優しく笑う。
「嬉しいですよ。僕も陽葵が来るのをずっと待ってましたからね。それでも陽葵にはちゃんと勉強をして教壇に立ってほしいんです。ですから大学はきちんと行ってください」
「分かってるよ。だけど今日と明日はお休みしなさいって。ここ数日無茶したからね」
「本当ですよ。僕がどれだけ心配したか分かってるんですか?」
「え~~、それを友紀也が言っちゃう?」