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第8章 卒業…そして…

20階にエレベーターが止まり、その階には1つの扉しかなかった。
誰もいないと分かっていてもチャイムを鳴らした。
誰も出てくるはずもなく、先生からもらった鍵でドアを開けた。

カチャリ…

その響きが心に響く。
ドアを開いて中を覗けば、左側に3つの扉と真正面に扉が1つと右側に扉が1つ目に入った。
どの部屋に入って良いのか分からず、左側から開けて行った。

「おじゃましま～す」

小さい声で声をかけて開くと、物置のように色々なものがあった。。
次の部屋も何もない部屋、3つ目の部屋はダブルベットだけが置いてある寂しい部屋。
真正面の扉はお風呂とトイレで右側の扉がリビングだった。
中に足を踏み入れてみると閑散としていて驚いた。
こんな寂しい場所で先生は生活してるんだろうかと思うほど物がない。
オフホワイトのソファーに壁掛けのTV、キッチンはオール電化でここだけは物で溢れていた。
それでも整理整頓がされていて先生の几帳面さが見てわかる。
先生もいないのに見て回るのも悪いと思い、ソファーに座るとテーブルの上に一枚の封筒を見つけた。
そこには『陽葵へ』と書いてあった。

「私に？」

それは先生の字で、何が入っているのかウキウキしながら封筒を開けた。
その中には一枚の手紙が入っていた。