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ずっと傍に……
第10章 新しい世界…
『遅くなりました。電話大丈夫ですか?』
やっと聞けた友紀也の声にホッとする。
さっきまでのイライラと悲しい気持ちがスッと消えてなくなった。
「大丈夫だよ。担任を持つと忙しい?」
『そうですね。色々とありますからね。それよりどうかしましたか?声に元気ありませんね』
一言二言しか話していないのに友紀也は何かを感じ取ったのか、そんな言葉をかけてくれた。
「別に…ちょっと弟と喧嘩して…それより、友紀也のクラスに田崎蒼っているよね」
『いますよ。陽葵の弟さんですよね』
すぐに返ってきた言葉に、気づいていたことが分かった。
『クラス名簿を見た時は驚きましたよ。』
「どうして教えてくれなかったの?」
『一応教師ですからね。陽葵であろうと言えないこともあるんですよ。もちろん、学校が始まれば言ってもいいとは思ってましたけど。それにしても、蒼くんは笑うと陽葵に似ていますね。天真爛漫に笑う姿が陽葵と重なって見えました。』
天真爛漫の言葉に一瞬言葉を失った。
あの蒼が天真爛漫に笑うなんてありえない。
いつも仏頂面で口を開けば悪態ばかり。
やっと聞けた友紀也の声にホッとする。
さっきまでのイライラと悲しい気持ちがスッと消えてなくなった。
「大丈夫だよ。担任を持つと忙しい?」
『そうですね。色々とありますからね。それよりどうかしましたか?声に元気ありませんね』
一言二言しか話していないのに友紀也は何かを感じ取ったのか、そんな言葉をかけてくれた。
「別に…ちょっと弟と喧嘩して…それより、友紀也のクラスに田崎蒼っているよね」
『いますよ。陽葵の弟さんですよね』
すぐに返ってきた言葉に、気づいていたことが分かった。
『クラス名簿を見た時は驚きましたよ。』
「どうして教えてくれなかったの?」
『一応教師ですからね。陽葵であろうと言えないこともあるんですよ。もちろん、学校が始まれば言ってもいいとは思ってましたけど。それにしても、蒼くんは笑うと陽葵に似ていますね。天真爛漫に笑う姿が陽葵と重なって見えました。』
天真爛漫の言葉に一瞬言葉を失った。
あの蒼が天真爛漫に笑うなんてありえない。
いつも仏頂面で口を開けば悪態ばかり。