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ずっと傍に……
第10章 新しい世界…
―――――…
「陽葵、どんだけ桜木を追いかけ回してたんだ?」
ソファーに座って雑誌を読んでいると、学校から帰ってきた蒼が私の横に座ってママに聞こえないように小さな声で聞いてきた。
「陽葵の予感的中!村上…陽葵の事言ってたぞ。毎日毎日桜木の元に通って桜木は迷惑してたって…なんか校長まで話がいって職員会議で問題になったらしいじゃん」
「えっ…」
「知らなかったのか?自分が陽葵に言い聞かせたって自慢してたぞ?」
当時、友紀也に迷惑をかけていたのは知ってたけど、職員会議で問題になっていたとは知らなかった。
友紀也も校長に少し言われただけだと…それを信じていた。
「でも、桜木の方は、迷惑とかは思ってなかったみたいだけどな」
その言葉に顔をあげれば、蒼は私の頭はクシャクシャと撫でた。
「姉がご迷惑をかけました。って言ったら桜木…楽しかったですよ。だってさ。正直…陽葵が好きになったの分かった気がした。勝てねぇって思った」
それから、蒼は学校での話を色々としてくれた。
あの日から、蒼との仲は良好で良く話す様になり、こんな風にソファーに座って並んで話すのが普通になっていた。