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第11章 嫉妬と牽制…

「あの車…すごいなぁ」

大地くんの言葉に、めぐちゃんと視線を向ければ見たことのある車が止まっている。

「…なんでっ」

とっさに口に出た言葉は大地くんとめぐちゃんの耳に聞こえる。

「ヒナの知り合い？」

「知り合いというか…彼氏の車…」

そう、あれは友紀也の車…
でもどうして、今は学校のはず…
悩んでいると車の扉が開いて友紀也がいつもの恰好で降りてきた。
いつもの笑顔で私の名前を呼ぶ。

「陽葵！！」

「なになに？ひなっちの彼氏、めっちゃかっこいいじゃん。大人の男って感じ」

めぐちゃんは興奮しているのか鼻息を荒くして私に縋り付いてくる。
左右を確認して走ってくる友紀也をみつめることしかできな私は、目の前に来た友紀也を見て言葉を飲み込んだ。

「どうしましたか？驚きました？」

「だって…学校は？」

「週末仕事ですから、その代休ですよ…最近会えなかったので驚かそうと来てしまいましたがいけませんでしたか？」

友紀也は大地くんをチラチラと見ながら言葉を選び答えていた。