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第12章 心友…

服装で別人だと判断した咲は表情を緩ませ友紀也の学校でのスタイルを話す。

「ヨレヨレのシャツに…頭はボサボサ？なんですよ。」

それに合わせて友紀也はジャケットを脱ぎ、髪の毛をわしゃわしゃと搔き乱し変貌をみせれば、ふたりの表情は見る見るうちに変わっていく。

「あとは…特徴的なものはありませんか？」

「……えっっと……黒縁のメガネが印象…的…で…」

咲が言い終わらないうちに、内ポケットからメガネを取り出してはめた。
その姿を見て千佳も咲も絶句して言葉もない。
知らず知らずのうちに手を取り合い、怖い物でも見たように固まり口を開けて微動だにしなかった。

「桜木先生とはこんな感じでしょうか」

完全に先生の姿に戻った友紀也は、ふたりの反応の見て楽しそうにだった。

「友紀也…驚かせすぎだって…」

「すいません…今日は会いに来てくれてうれしかったですよ。宮崎さん、神鳥さん」

友紀也は悪びれもせずに、敢えてふたりの苗字を呼んだ。
その言葉に我に返った2人は悲鳴にも似た声をあげ、その声に店員が駆けつける騒ぎになったのは言うまでもない。