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ずっと傍に……
第14章 顔合わせ…
―――――…
「…ただいま…」
友紀也を見送って、約束通り自分の家に帰ってきた。
玄関を開けると、いつもの笑顔で向か入れてくれるママにチクリと胸が痛む。
「早かったのね。朝ご飯は食べたの?」
「うん。食べてきた」
「陽葵が作ったの?」
「うん…」
ママの質問に淡々と答えながら、初めて居心地の悪い思いをする。
「あの陽葵がね…好きな人ができると変わるものね」
早く上がりなさいと言われ、ママの後ろをついてリビングに向かった。
いつもと変わらないリビングにホッとしながらも、ここに来るまでずっと考えていた言葉を口にした。
「我儘言ってごめんね…」
「急にどうしたの?」
「うん…私が出て行って…パパの怒りの矛先、ママに向いていない?勝手に友紀也の所に住むこと決めて怒られてない?」
昨日は、パパと顔を合わせるのが嫌で、それ以上に友紀也と一緒に住めることに喜んでいたけど、よくよく考えてみればママの一存で決めたことにパパが何も言わないわけがなかった。
友紀也とつきあうことをあれだけ反対したパパなだけに心配だった。